膠原病内科
膠原病内科では、全身性エリテマトーデス、強皮症、シェーグレン症候群、多発性筋炎・皮膚筋炎など、自己免疫の異常により全身の臓器や組織に炎症を引き起こす疾患を診療しています。これらの疾患は、発熱、倦怠感、皮膚の発疹、関節痛など多様な症状を呈し、早期の診断と適切な治療が重要です。
膠原病とは?
膠原病とは、自己免疫の働きが誤って自身の体の組織を攻撃することで、さまざまな臓器や関節に炎症が起こる疾患群のことを指します。代表的な膠原病には、全身にわたる多彩な症状が現れるものが多く、日常生活に影響を及ぼす場合もあります。症状は個人によって異なり、進行具合もさまざまですが、早期に発見して治療を開始することで、症状の進行を抑えることが可能です。
主な症状
- 発熱や倦怠感
- 特徴的な皮膚の発疹
- 関節痛や筋肉痛
- 腎臓、肺、心臓、消化管、脳、神経など多臓器への症状
診断方法
- 問診と身体検査
- 症状の詳細や経過を丁寧にお伺いし、全身の状態を評価します。
- 血液検査
- 抗核抗体や特異的な自己抗体の有無、炎症の程度を確認します。
治療内容
- 薬物療法
- ステロイド剤や免疫抑制剤を中心に、症状や疾患の活動性に応じた治療を行います。
- 生活指導
- 日常生活での注意点やセルフケアの方法をアドバイスし、再発防止や症状の管理をサポートします。
膠原病は、風邪のように完全に治癒するというわけにはいきません。しかし、治療により、病気がよくなった状態を「寛解」と言い、その状態にすることが可能です。
特に、治療を終了しても寛解の状態が続くことを「完全寛解」と言います。これは数年、あるいは数十年続くこともあります。このような場合、ほとんど治癒したと言えるかもしれません。ですので、適切な治療を受けて管理することが重要となります。
膠原病のグループに入る疾患
膠原病は全身的な症状を引き起こすものから、皮膚限定のものまで幅広い病気を含みます。厳密な定義は存在しないものの、次に挙げる疾患が一般的に膠原病のグループに分類されます。
当院の対応疾患
- 関節リウマチ
- 全身性エリテマトーデス
- 全身性強皮症
- 多発性筋炎/皮膚筋炎
- 混合性結合組織病
- カプラン症候群リウマチ熱骨粗鬆症アミロイドーシス
特定疾患として認定される膠原病
以下の疾患は、国の難治性疾患克服研究事業により、治療費の補助を受けることができる特定疾患に指定されていますので、担当医とご確認ください(疾患重症度によっては補助が受けれない場合があります)。
- 全身性エリテマトーデス
- 全身性強皮症
- 多発性筋炎・皮膚筋炎
- 混合性結合組織病
- ベーチェット病
- 結節性動脈周囲炎(結節性多発動脈炎・顕微鏡的多発血管炎)
- 大動脈炎症候群(高安動脈炎)
- ウェゲナー肉芽腫症
- 悪性関節リウマチ
- シェーグレン症候群
- 多発血管炎性肉芽腫症
- 成人スティル病 など
膠原病の分類は流動的
膠原病の分類は流動的で、医学の進歩に伴い、新たに膠原病に分類される疾患が出現する一方で、一部の疾患は膠原病から外れることもあります。
特定疾患の医療費補助制度
特定疾患の認定は、疫学、病因、治療などが重点的に研究されています。認定の申請書類は最寄りの保健所で入手可能で、認定が下りれば重症度に応じて医療費が免除されます。ただし、制度は国が制定しているものの、具体的な運用は各都道府県が担当しており、地域により補助の対象となる疾患が異なる場合もあります。また、認定基準や介護保険との関連性から補助金の見直しが行われる可能性もあるため、詳細は主治医に相談してください。