全身性エリテマトーデス(SLE)とは?
一般的には、診断は症状と血液、尿検査の結果から総合的に判断されます。
概要
- SLEは「Systemic Lupus Erythematosus」の略称で、全身性の炎症が特徴。
- 「Lupus」はラテン語で「狼」を意味し、蝶形紅斑が狼に噛まれた跡に似ていることから名付けられた。
- 慢性の経過をたどり、症状は時に良くなったり悪くなったりする。
- 原因は未解明だが、免疫のバランスの崩れが関係しているとされる。
- 若い女性に多く発症し、男女比は約1対9。
症状について
- 全身症状
- 疲れやすさ、だるさ、微熱や高熱など。
- 局所症状
- 蝶形紅斑や円板状紅斑などの特徴的な発疹。
- 日光を浴びた後に現れる発疹(日光過敏症)。
- 痛くない口内炎。
- 関節の痛みや腫れ。
- 心臓や肺に関する症状(心外膜炎、胸膜炎など)。
- 持続する蛋白尿(ループス腎炎)。
- 痙攣や精神症状(中枢神経ループス)。
- 貧血、白血球減少、血小板減少。
診断について
- 症状、血液・尿検査、レントゲン検査などの結果を総合的に判断。
- アメリカリウマチ学会/欧州リウマチ学会の分類基準に基づくことが多いが、専門医の総合的な診断が重要。
治療について
- 原則として内服薬による治療。
- 抗炎症薬が主体で、非ステロイド系抗炎症薬、副腎皮質ステロイド薬、免疫抑制薬が一般的に用いられる。
- 患者の状態に合わせて必要最小限の量を投与し、副作用のリスクを管理。
新しい治療薬や生物学的製剤の開発も進んでいる。 - 生活上の注意
- 再燃のきっかけとなる要因(過度の日光・寒冷への暴露、感染症、治療薬の不適切な服用)に注意。
- 健康的な生活を心がけ、食事の内容と量に注意する。
- 妊娠計画は適切に組み立て、必ず主治医に相談する。